(La)TeXについて簡単な解説&自分用のメモ
はじめに
ここで扱うのは
LaTeXを用いて数式を含む文章(数学の論文とか)を書くために必要・便利な情報です。
(La)TeXの解説サイトなんて他にたくさんあるし
そうですね。なので、これは他のサイトへのリンク+私が使うパッケージ紹介にしかならないでしょう。 とりあえず、(La)TeXの使い方について全体的にまとめてあるサイトを紹介。
LaTeXってTeXと違うの?
違います。詳しくは、「TeX LaTeX 違い」でgoogle検索して出てくる、 TeXとLaTeXの違いとか TeX,LaTeXとは? を参照のこと。
TeXフロントエンドとTeXディストリビューション
TeXというのは、Donald E. Knuth氏が開発した組版ソフトですが、現在は、それをとりまく様々なソフトの巨大な集合体になっています。 なので、ここでは(La)TeXで文書を作成するために必要なソフト群全体がTeXディストリビューションと呼ばれたりします。
何らかのTeXディストリビューションを一つインストールすれば、(La)TeXのソースファイルをコンパイルしてPDFなどに変換できます。 日本語も扱えるものとして、以下をおすすめしておきます。
実際の作業は、(La)TeXのソースファイルを書いて、PDFなりに変換することで、出力を確認したり印刷したりします。そこで、文書の編集・変換・確認は、シームレスに出来た方が便利です。 そういった目的のために、
- TeXworks (Windowsなど)
- TeXshop (Mac)
があります。これらは、TeXフロントエンドとか呼ばれていて、例えば、Windows用のTeXLiveやW32TeXにはTeXworksが、MacTeXにはTeXshopが含まれています。 注意点としては、TeXworksなどTeXフロントエンドは、文書の編集やコンパイルなどのユーザーインターフェースの部分を担っているにすぎないことです。 例えば、TeXのフロントエンドだけ最新版にしても、TeXシステム全体を更新しないと、新しいパッケージを利用したりTeXシステムのバグが修正されたりはしません。
論文を書くために
ある程度新しいやり方に追従しておく
同じような機能のパッケージでも、新しいものや古いものが混在していて、こっちを使ったほうが良いとか、その記述はあまり良くないとかいうものもあります。
は一読しておくことをお勧めします。
「数学の常識・非常識—由緒正しいTeX入力法」を読む
数学の論文や解説を書く上で、最低限の作法はおさえておいた方が良いです。というわけで、
は一読しておきましょう。
パッケージ
LaTeXではとてつもない数のパッケージが存在していて、それらを利用することで、様々な機能が提供されます。 というわけで、パッケージの紹介・メモ。
beamer
beamerはとりあえず見やすいスライド作るのは良いけど、調整しようと思うと・・・。 テーマを変える以上の調整をしたいときは、ソースファイルから該当箇所をコピペして変更すれば出来る。これで良いのか?
tcolorbox
beamerのblock環境みたいなものが作れます。 スライドをより自分好みにしたい人。気の利いた教科書みたいな本が書きたい人のために。
見たところマニュアルは500ページ超・・・いろいろ工夫は出来ますが、沼。
setspace
行間の調整。コラムだけは行間を詰めたい、とかの時に。 全体をいじるだけなら、baselinestretchの調整だけでOK。
tensor
TeXでは文字の前に添え字を書くのはやりにくい。例えば転置行列を書くときは
${}^t A$
のようにしたりするわけですが、これはAに添え字をつけているわけではなくて、{}に添え字をつけているわけで、ちょっと気持ち悪い。高校までで使った二項係数とかもそう。
\usepackage{tensor}
しておいて、
\tensor[^t]{A}
とか
\tensor[_n]{C}{_k}
とかで添え字が書ける。
その他
プレゼンテーション時、キーボードの操作
パソコン+プロジェクタで、PDFファイルを表示しながらプレゼンテーションするとき、最低限の操作はキーボードで出来た方が便利です。 Adobe Acrobat Reader DC だと、
- 全画面表示:[Ctrl]+[l]
- 全画面表示を終了:[Esc]
- 次のページへ:[→]
- 前のページへ:[←]
- 拡大:[Ctrl]+[+]
- 縮小:[Ctrl]+[-]
- 上へスクロール:[↑]
- 下へスクロール:[↓]
あたりが分かっていれば十分かと思います。詳しくはhttps://helpx.adobe.com/jp/acrobat/using/keyboard-shortcuts.htmlとかを参照して下さい。
校正記号
論文の校正とかの作業の時に。PDFを修正して送れとか言われる時の参考に。